末梢神経ブロック

Summary

  • 末梢神経ブロックは神経の近くに局所麻酔薬を注入する
  • 一時的な鎮痛と神経感作を改善する効果が期待できる
  • 超音波装置(エコー)の併用で安全かつ確実に施行できる

末梢神経ブロックとは、神経の近くに局所麻酔薬やステロイドなどの薬剤を注入して、一時的に神経の伝達を遮断し、炎症を抑えて痛みを和らげる治療法です。

慢性痛がある場合、痛みを伝える神経は常に興奮している状態となり(神経感作の状態といわれます)、このような神経は、痛みの信号を増幅させたり、本来痛くない刺激を痛みとして伝えたりします。末梢神経ブロックは、局所麻酔が効いている間の痛みがなくなる効果だけでなく、一時的とはいえ神経の伝導を抑えることにより、神経の興奮状態を和らげる効果もあります。

近年、超音波機器の進歩によりエコー画像で神経や血管を確認しやすくなったため、以前と比較し、より安全かつ確実に多くの神経に対して末梢神経ブロックが施行できるようになりました。特に、帯状疱疹や脊髄神経根症などに有効であり、高周波治療や低出力レーザー治療などを組み合わせることで、より効率的に痛みの治療を行うことが可能です。

末梢神経ブロックは基本的に安全な治療法ですが、施術前に血液検査を行い、血小板数や血液凝固機能が正常であることを確認する必要があります。また、抗血小板薬や抗凝固薬(=血液をサラサラにする薬)を服用している場合は、施術できないことがあります。来院時には、お薬手帳や処方箋など服用している薬の情報がわかるものを必ず持参してください。

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