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星状神経節ブロックの適応疾患とその効果

痛みや不調に向き合う、神経からのやさしいアプローチ
星状神経節ブロック(SGB)は、交感神経の緊張を一時的に抑えることで、自律神経のバランスを整える治療法です。慢性的な痛み、自律神経の乱れ、免疫の過剰反応など、さまざまな不調に対して多面的な効果が期待されています。
このコラムでは、SGBが効果を発揮するとされる疾患・症状をご紹介します。
◆頚肩腕症候群(肩こり・首のこり・腕の重だるさ)
交感神経の持続的な緊張が血流障害や筋緊張を引き起こし、肩こりなど頚肩腕症候群の原因となる可能性があります。SGBが首や肩の痛みや循環改善に有効であることが報告されています。
◆頭痛(片頭痛・緊張型頭痛)
交感神経が優位になると、頭部の血管が収縮し、片頭痛や緊張型頭痛の原因になります。SGBにより頚部交感神経を遮断することで血管が拡張し、血流が安定するため、頭痛の軽減が期待されます。難治性片頭痛に対しSGBが効果的であった報告もあり、薬剤治療に抵抗性のある患者にとって有望な選択肢となりえます。
◆帯状疱疹後神経痛(PHN)
帯状疱疹後神経痛は、高齢者を中心に難治性となることが多いですが、SGBにより交感神経を遮断することで疼痛の軽減や慢性化の予防が期待されます。またSGBはPHNの発症を予防できる可能性があります。
◆神経障害性疼痛
神経への障害が原因となる神経障害性疼痛にも自律神経が関与していると考えられています。
◆花粉症・アレルギー性疾患
交感神経の過剰な働きは、免疫の過敏反応にも影響を及ぼします。SGBにより自律神経のバランスが整うと、過剰な炎症反応が抑制され、アレルギー症状やアトピー性皮膚炎の改善が期待されます。
星状神経節ブロックは、長引く痛みや原因のはっきりしない不調に対して、自律神経からアプローチできる数少ない治療法のひとつです。これまでのように「我慢するしかない」と思っていた症状でも、自律神経のバランスを整えることで大きく改善することがあります。もし、ご自身やご家族の症状に当てはまる部分があれば、ぜひ一度ご相談ください。