首の痛み(肩こり、頚椎症など)
Summary
- 首の痛みの原因はさまざまである
- 筋筋膜性疼痛は適切な治療が必要である
- 様々な治療法を組み合わせるとより効果的である
首は多くの筋肉、靭帯、関節、神経が組み合わさった複雑な構造であり、常に頭部の重みを支えています。そのため、首は負荷のかかりやすい部位であり、痛みの原因も多岐にわたります。
首の痛みで最も多いのは一般的に「肩こり」と呼ばれる後頭部から頸部、肩にかけての痛みです。肩こりは、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることで筋肉疲労が蓄積し、血流が低下することが原因となります。通常、このような筋肉痛は安静にしていれば2〜3日で改善しますが、仕事などで日常的に負荷がかかる場合、痛みが慢性化してしまいます。そうなると短時間のデスクワークなどでも強い痛みが出現し、一般的な鎮痛薬があまり効かなくなってしまいます。この状態は「筋筋膜性疼痛」と呼ばれ、しっかりとした治療を受けないとなかなか改善しません。また、首の痛みは筋緊張性頭痛の原因ともなるため、頭痛が頻繁に起こる場合、首や肩の筋筋膜性疼痛に原因がある可能性があります。
頚椎症も首や上肢の痛みやしびれの主要な原因の一つです。頚椎症は、首の骨や椎間板の変性によって脊髄や神経根が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす疾患です。圧迫が強く、脱力や麻痺症状がある場合は脊椎手術の適応となりますが、そうでない場合はペインクリニックでの治療によって症状を改善することができます。
交通事故(バレ・リュ―症候群)や外傷による頸椎捻挫も首や肩の慢性痛の原因となります。
当院では診察所見に加え、画像検査(MRIやCTなど)を近隣のメディカルスキャニングに依頼し、正確な診断のもと最適な治療を行っていきます。
治療には主に薬物療法(内服・湿布薬)、神経ブロック(トリガーポイントブロック、星状神経節ブロック、神経根ブロック、筋膜リリース(ハイドロリリース))、低出力レーザー治療、リハビリテーションなどが用います。当院では単独の治療法ではなく、複数の治療法を組み合わせることでより効率的な治療を行っていきます。首や肩に慢性的な痛みを感じる方は、ぜひ当院にご相談ください。